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これは4か月ぶりの英語の新語である。今年も1月7日、アメリカ英語の総本山と言われる「アメリカ英語学会」(American Dialect Society) が昨年の「Word of the Year」(新語大賞)を発表したが、その中で「もっとも使える (Most Useful) 」カテゴリーで大賞を獲得した humblebrag を紹介したい(注1)。humblebrag(一般名詞)とは humble(謙虚)と brag(自慢話)を合わせた「合成語 (portmanteau) 」で「エセ謙虚性」を示す新語(注2)。この新語は、昨年(2011年)春頃から、特にツイッター (Twitter) の中で有名人が「いかにも自分が謙虚であるかを見せつけるために行う謙虚さ」を見せるようになり、それを形容するためツイッターで造語されて広まった。最近になってこの語が世界の主流英語マスコミに取り上げられるようになり、「Word of the Year」受賞となった。
米国有力経済紙 The Wall Street Journal の有名な「Heard & Scene」コラムの最新報道によると、この新語を最初に作り出したのは米国のコメディアンのハリス・ウイッテル (Harris Wittel) で、ツイッターに「Humblebrag」 と題したセクションを作り、その例を紹介しているという(注3)。例えば、ある有名人が「I am exhausted from my two week vacation to Hawaii. I need a vacation」(私は2週間のハワイ休暇で疲労困憊してしまった。休暇が必要だ)とつぶやくと、これは表面上は「仕事をしすぎで休暇が必要だ」と“謙虚さ” (humble) を装うが、実は2週間も休暇できるだけの金持ちだということを「自慢」(brag) していることになる(注4)。有名人の「傲慢さ」、ここに極まれりというわけである。
humblebrag の邦訳語であるが、色々調べた結果、適当な訳語がなかったので、筆者の独創訳語で恐縮だが上記の「エセ謙虚性」が最適訳語となった(注5)。「エセ」の代わりに「偽(にせ)」「うわべだけの」を使ってもよい。現時点ではこれ以上の訳語はないであろう。
| 注1) | See the homepage (HP) of The American Dialect Society (http://www.americandialect.org/). また上記[用例1][用例2][用例3]参照。この学会で総合大賞をとったのは、かの有名な「Occupy Wall Street protestors(ウォール街を占拠せよデモ隊)」のoccupyであったが、あまりにも有名なり過ぎたので、本コラムでは取り上げなかった。 |
| 注2) | 上記[用例1][用例2]参照。 |
| 注3) | [用例2]後半参照。 |
| 注4) | 同上。 |
| 注5) | 最新オンライン辞典の「英辞郎」(アルク社)とKOD(研究社)には、残念ながら humblebrag の項目はなかった(2012年1月13日時点)。また、市井の紙版の英和辞典にはもちろん同項目はない。 |
| 注6) | この記事は The American Dialect Society のHP (http://www.americandialect.org/) に添付したPDF 版から引用したもので、URLはない(2012年1月13日参照)。 |
| 注7) | この記事の電子版のHPは http://www.npr.org/blogs/ であるが、記事のURLは長すぎるので割愛した(2012年1月13日参照)。 |