石山宏一の新語ウォッチング

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桐蔭横浜大学客員教授 石山宏一
石山先生のプロフィール  
<第116回> Updated March 2, 2015 更新日:2015年3月2日

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英和編 the Internet of Things (IoT) モノのインターネット

the Internet of Things (IoT)(発音はカタカナ読みで「インターネット・オブ・シングス」(略語は「アイオーティー」)とは、things(色々なモノ)と the Internet(インターネット)を of で足した言葉で、小文字にして the internet of things とも書き、「世の中に存在する色々な物理的なモノ(エレクトロニクス、ソフトウェア、センサー等)がインターネットで接続されて相互に通信しあうことにより、より高度な価値やサービスが生み出され、その結果様々な自動認識や自動制御、遠隔操作などを行えるようになるネットワークシステム」を指す新語(注1)。この新語は1999年に英国の技術先駆者ケビン・アシュトン (Kevin Ashton) が初めて造語したとされるが、最初は広まらなかった。しかし、インターネットと色々なモノの融合が進むにつれ、英国の『フィナンシャル・タイムズ』等の主流メディアも取り上げるようになったため、全世界に広まった(注2)。

この新語が造語された発端には、1999年に考案された radio-frequency identification (RFID) と呼ばれる無線 (radio) を使用した所在確認 (identification=ID) の存在がある(注3)。これは「微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み」で、ID情報を埋め込んだタグ(一般には非接触ICカードに内蔵された電子発信器)から、電磁界や電波等を用いた近距離(周波数によって数センチから数メーター)の無線通信によって情報をやりとりするもの、あるいは技術全体を指す。この結果、東京首都圏で通勤者が毎日使うスイカ (Suica) やパスモ (Pasmo) 等での駅改札通過が瞬時にできるようになった。そして、この RFID を発端として、色々な「モノ」がバーコード、QRコード等を通じてタグ化が可能となり、インターネットを通じて幾何級数的に IoT が広まった。

そして、現在ではその IoT を活用して、すでに様々なシステムが実用化されている。例えば自動車の位置情報をリアルタイムで道路カメラで集約して渋滞情報を配信するシステム。あるいは鉱山などで大型のトラックや機械に搭載したセンサーに通信機能を内蔵させ、運用本部につないで自動で無人トラックを運転させ、金属や鉱物を運搬するシステムがある。この他に、将来的には人間の検針員に代わって各家庭に設置してある電力メーターが電力会社と通信して電力申告するスマートメーター等も考案中だという。凄い時代である。

the Internet of Things の邦訳語であるが、色々調べた結果、上記のように直訳語「モノのインターネット」を最適訳語とした。これはインターネットが定冠詞 (the) 付きで使われているためである(注4)。things と複数形の s がついているので、「モノ」の代わりに「モノよろず」としてもよい。この訳語に問題はないであろう。

[用例1]としてはWikipedia (online) "...The Internet of Things (IoT) is the network of physical objects or “things" embedded with electronics, software, sensors and connectivity to enable it to achieve greater value and service by exchanging data with the manufacturer, operator and/or other connected devices..."(注5)としていた。また[用例2]としては Financial Times (print) が "...While increasing numbers of everyday objects are being connected in the internet of things, regulators and lawmakers have been slow to the potential legal implications such as privacy and data protection..." としていた(注6)。[用例3]としてはThe New York Times (online)が "...Mr. O'Reilly...now says that the Internet of Things, or IoT, maybe the most important online development yet. The term is something of a misnomer, he says, because it is really about giving people greater access to computer intelligence..." としていた(注7)。

注1) 上記[用例1]参照。他にIT新語辞典e-words (online), “IoT [Internet of Things” (http://e-words.jp/w/IoT.html) とフリー百科事典「ウィキぺディア」、「モノのインターネット」(このサイトのHPはhttp://ja.wikipedia.org/があるが、項目のURLは長すぎるので割愛した)参照(2015年2月25日時点)。
注2) 上記[用例1][用例2][用例3]参照。
注3) 上記の[用例1]参照(ここでは引用されてない)。またWikipedia (online), ”RFID” (http://ja.wikipedia.org/wiki/RFID) 参照(2015年2月25日時点)。
注4) 日本最大で最新のオンライン辞典の「英辞郎」(アルク)(無料)にはthe Internet of Thingsの項目はなかったが、同オンライン辞典のWeblio(無料)には「モノのインターネット」と訳されていた(http://ejje.weblio.jp/content/internet+of+things)(両方とも2015年2月25日時点)。もちろん、市井の紙版の英和辞典には同項目はない。
注5) Wikipedia (online), "Internet of Things" (http://en.wikipedia.org/wiki/Internet_of_Things) (Seen on Feb. 25, 2015).
注6) Financial Times (print), Jan. 28, 2014,“The Connected Business" (supplement), p.2, “The internet of things keeps one step ahead of the law."
注7) The New York Times (online), Feb. 4, 2015,“Tim O'Reilly Explains the Internet of Things." (http://bits.blogs.nytimes.com/2015/02/04/tim-oreilly-explains-the-internet-of-things/?_r=0) (Seen on Feb. 25, 2015).




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