石山宏一の新語ウォッチング

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桐蔭横浜大学客員教授 石山宏一
石山先生のプロフィール  
<第123回> Updated October 5, 2015 更新日:2015年10月5日

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英和編 sharing economy シェアリングエコノミー

sharing economy(発音はカタカナ読みで「シェアリング・エコノミー」)とは、「色々なモノやサービスを他人と共有 (sharing) する経済 (economy) やビジネス」を指す新語(注1)。つまり、今までは個人や企業が主に単独で国内総生産 (GDP) を形成するモノやサービスを生産・消費してきたが、過去数十年のインターネットやソーシャル・ネットワーク・サービス (SNS) 等の進展で、他人と共同で生産・消費することができるようになり、特に消費の面で collaborative consumption(共同消費)と言われる sharing economy の基礎概念が可能になったためである。この新語の概念そのものは2000年代中頃からあったが、2011年に有力英文週刊誌『タイム』(Time Magazine) が、その当時には新語であった基礎概念の collaborative consumption を「世界を変える10思考 (10 ideas that will change the world)」の1つとして取り上げたため、sharing economyが米国で有名になり、最近になって米国の『ニューヨーク・タイムズ』」等の主流メディアも取り上げるようになったため、全世界に広まった(注2)。

この新語が示す顕著な経済の例は主に、➀世界的に有名になった一般家庭の部屋の貸出、➁乗用車・スクーター・自転車の共同利用、➂インターネットを通じた色々な事業サービスに関する投資家の共同出資などに見られる。第一の典型サイトがAirbnb(エアービーアンドビー)で、そのサービスでは192か国の33,000都市で80万以上の宿が提供され、宿泊客数は2,500万人とされている。bnbとはbed and breakfast(朝食付き宿泊)の略語である。第二の乗用車・スクーター・自転車の共同使用に関しては、乗用車のサイトは Getround や Zipcar、スクーターは Scoot、自転車は米国サンフランシスコ地域向けの Bay Area Bike Share 等があり、年々拡大している。第三の投資家の共同出資は crowdfunding(クラウドファンディング)と呼ばれ、そのサイトは無数にあり、最近では東日本大震災復興に関連するものが多い。この sharing economy はこれからも飛躍的に伸びるであろうと予想される(注3)。

sharing economy(可算名詞)の邦訳語であるが、色々調べた結果、上記のようにカタカナ表記の「シェアリングエコノミー」を最適訳語とした(注4)。少し意訳した「共有(型)経済」も訳語として検討したが、新規さと珍しさを表すにはパンチ力に欠けると思い、今回は採用しなかった。

[訳例]としては、オンライン百科事典の JapanKnowledgeが「情報・知識imidas 2015」の見出しを引用し、「シェアリングエコノミー」としていた(注5)。また、[用例1]としてはThe New York Times (online)が "Sharing Economy/ BlaBlaCar, a French Ride-Sharing Start-Up Is Valued at $1.6 billion" と見出しをつけた記事を配信していた(注6)。[用例2]としては、Financial Times が "Sharing economy trailblazer BlaBlaCar value at €1.4bn after funding round" と題した記事で、"French marketing group BlaBlaCar has become one of the best-backed technology start-ups in Europe after receiving $200m in the latest funding round..."(注7)としており、[用例3]としては、Wikipedia (online) が "...A sharing economy can take a variety of forms, including using information technology to provide individuals, corporations...with information that enables the optimization of resources through the redistribution, sharing and reuse of excess capacity in goods and services,..." としていた(注8)。

注1) 記[訳例][用例1][用例2][用例3]参照。また、オンライン百科事典 JapanKnowledge(有料)、「情報・知識 imidas 2015/シェアリングエコノミー」参照(2015年9月30日時点)。ちなみに、最新紙版新語事典の『現代用語の基礎知識2015』(自由国民社、2014年刊)には「シェアリングエコノミー」の項目はなかった。
注2) 上記 JapanKnowledge 記事と[用例3](ここでは引用されていない)参照。
注3) 同上。
注4) 日本最大で最新のオンライン辞典の「英辞郎」(アルク)(無料)には「sharing economy」の項目はなかったが、同辞典の Weblio(無料)は「共有経済」と訳出していた(両方とも2015年9月30日時点)。もちろん、市井の紙版の英和辞典には同項目はない。
注5) オンライン百科事典 JapanKnowledge(有料)「情報・知識 imidas 2015/「シェアリングエコノミー」(2015年9月30日時点)
注6) The New York Times (online), Sept.16, 2015, "Sharing Economy/ BlaBlaCar, a French Ride-Sharing Start-Up Is Valued at $1.6 billion" (http://bits.blogs.nytimes.com/category/sharing-economy)
(Seen on Sept. 30, 2015).
注7) Financial Times Asia (print), Sept. 17, 2015, p.13, "Sharing economy trailblazer BlaBlaCar valued at €1.4bn after funding round".
注8) Wikipedia (online), "Sharing economy" (http://en.wikipedia.org/wiki/Sharing_economy) (Seen on Sept. 30, 2015).




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