石山宏一の新語ウォッチング

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桐蔭横浜大学客員教授 石山宏一
石山先生のプロフィール  
<第131回> Updated June 6, 2016 更新日:2016年6月6日

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英和編 cobot コボット

cobot(発音は「コボット」)とは collaborative(「コラボラティブ」)と robot(「ロボット」)の合成語 (portmanteau) で「工場などで特定な作業をする人間を側面から物理的に援助する最新型の人間の形をした (humanoid) ロボット」を指す新語(注1)。collaborative とは「(作業などでの)共同の、合作の」の意。この最新ロボットは「今までの自動的に単純作業を行ったり、限定的な指示を受けて動く一般ロボット」とは違うロボットを指す。この新語は数年前に造語されたが、その使用はロボット業界の一部に限られていた。しかし、最近になって Financial Times 等の主流英米メデイアも取り上げるようになった(注2)。

最近の報道によると、この最新型工業ロボット cobot の登場により工場での作業が飛躍的に伸び、飛行機や自動車の組み立て現場で革命がおきているという。この cobot は従来のロボットよりも非常に軽く、自分で人工頭脳を使ってはるかに柔軟に動き、何か人間・機械などの障害物にぶつかるとセンサーが働いて完全にストップするなどの造作もできるという。また、cobot は工場だけでなくオフィスなどを自分で動き回って人間に助けを求めたり、色々な場所でその環境にあった動きをするため自分で自分の各パーツを取り除いて様々なタスク(作業)をするという。そのため、ある調査によると、この cobot の売上げが現在は世界で年間1億ドル程度だが、4年後には30倍の30億ドルに急増するという(注3)。

そして、この cobot の登場の背景にあるのが bot(発音は「ボット」)と呼ばれるコンピュータープログラムの幾何級数的な進歩がある。bot とは一般には「自動的に動くプログラム」を言うが、現在では Internet of Things (IoT)(モノのコンピューター)で「特にインターネット上で自動的に情報を集めるプログラム」を指す。これが進化して色々な apps(「アップス」)と呼ばれる applications が作られ、工場などでの cobot の登場に役に立った(注4)。すごい時代である。

cobot の邦訳語であるが、色々調べた結果、上記のように直訳のカタカナ表記「コボット」を適訳語とした(注5)。元の英語 collaborative robot を直訳して「合作ロボット」も訳語として考えたが、パンチ力が無いと判断し採用しなかった。

[用例1]としては Financial Times (print) が “Airbus works with Japanese research lab on assembly-line humanoid ‘cobots’ ” と題した記事で、 “But the development of collaborative robots, cobots that can work alongside humans, is changing the calculation...” として “cobot” を使用していた(注6)。

[用例2]としては Wikipedia (online) が “Cobot” と題した記事で、 “A cobot (a portmanteau of collaborative robot) is a robot intended to physically interact with humans in a shared workspace...” として “cobot” を使っていた(注7)。

注1) 上記[用例1][用例2]参照。Also see Financial Times (print), May 5, 1916, p.15, “Meet the ‘cobots’: humans and robots learn how to work together on the factory floor”
注2) 上記2つの Financial Times (print) の記事参照。また、ちなみに、最新語事典の「現代用語の基礎知識2016」(紙版、自由国民社2015年刊)には cobot の項目は無かった。
注3) Financial Times (print), May 16, 1916, p.13, “Airbus works with Japanese research lab on assembly-line humanoid ‘cobots’ ”
注4) See Macmillan Dictionary (online), “bot” (http://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/bot) (Seen on May 30,2016). Also see Financial Times (print), April 14, 1916, p.14, “Facebook hopes bots will send positive message”
注5) 日本最大で最新のオンライン辞典の「英辞郎」(アルク)と同辞典のWeblio(無料)には cobot の項目は無かった(両方とも2016年5月30日時点)。同様に、市井の紙版の英和辞典には勿論 cobot の項目はない。
注6) Financial Times (print), May 16, 1916, p.13, “Airbus works with Japanese research lab on assembly-line humanoid ‘cobots’ ”
注7) Wikipedia (online), “Cobot” (https://en.wikipedia.org/wiki/Cobot) (Seen on May 30, 2016)




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