石山宏一の新語ウォッチング

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ジャーナリスト 石山宏一
石山先生のプロフィール  
<第160回> Updated November 5, 2018 更新日:2018年11月5日

今月の新語ファイル

英和編 glamping グランピング

glamping(発音は「グランピング」)とは glamorous(豪勢な、魅力的な)と camping(キャンピング、キャンプする)の合成語で、「今までの郊外に行き、提供されたキャンプ場で小さなテントを張り、自分で持ってきた食材を調理しキャンプして楽しむ形態ではなく、隣接するレストラン等の屋外での場所で豪華な食事をし、また既に設定済みの豪華なベッドや電化製品が備え付けられた広いテントやロッジで快適に過ごす新規のキャンプ生活」を指す新語(注1)。別名 luxury camping ともいう。この新語は13年前の2005年頃に英国で考案・造語されてから人気となり、その後欧州の他の国や米国にも飛び火し、また2016年には英国英語の権威とされる Oxford English Dictionary に新語として採用されるなどしてかなり広まったが、日本で流布することはなかった。しかし最近になって、英米での glamping の隆盛を見た日本の旅行・ホテル業界が glamping施設を建設し始め、日本政府の環境省も今年の9月から試験的に国立公園で導入を決めるなどして有名となり、また「日本グランピング協会」という業界団体も立ち上がったため、毎日新聞等の主要マスコミも大々的に報道し日本でも人口に膾炙した(注2)。

それにしても glamping の欧米での隆盛には目を見張るものがある。特に glamping の発祥地の英国ではロンドン郊外を中心に全土で250を超える glampingスポットが展開している。この地域の特徴は田園・農村地帯ならではの牧歌的な雰囲気にあり、宿泊施設はハット(hut)と呼ばれ小型の小屋や古風な馬車馬風トレーラー、そしてゲルと呼ばれるモンゴル型テントが主流である。米国でも現在では数多くの glamping施設があり、その特徴は特に都会の郊外での glamping が人気である。特にカルフォルニア州ハリウッド近くのビバリーヒルズ(Beverly Hills)での超一流ホテルの Beverly Wilshire や Four Seasons Hotel では、なんと一泊3,500~15,000米ドル(39~168万円、$1=112円で換算)で glamping をオファーしている(注3)。

翻って、日本では2010年頃から海外の glamping の人気が業者の耳に入って土壌が生まれ、2015年に大手リゾートチェーンが glampingと名の付けた施設を開業し、これから一気に広まっていった(注4)。しかし、日本での施設の種類はあまりに多種多様で自然を感じられる本来の glamping にはかけ離れた状況である。そこで上記の通り、日本の環境省が今年9月から国内の民間業者2社と提携し、「日光国立公園」と「阿蘇くじゅう国立公園」で試験的に glamping を始めることにした。同省は国立公園での外国人客数を2020年までに1千万人と15年比で倍増したいとの目標を設定しており、そのために準備と見られる。日本もようやく欧米の glamping の隆盛に目覚めたのである(注5)。

glamping の邦訳語であるが、いろいろ調べた結果、上記のカタカナ語「グランピング」を適訳語とした(注6)。直訳の「豪華キャンピング」はダサいので採用しなかった。この訳語には問題がないであろう。

[訳例]としては毎日新聞(紙版)が「国立公園『グランピング』で満喫」と題した記事で、「環境省は国立公園内で優雅にアウドドア体験ができる『グランピング』施設の導入をすすめる。」を「グランピング」を訳語として使っていた(注7)。

[用例1]としては The New York Times (online) が“Glamping Slips Into the Mainstream”と題した記事で、“…Now known as glamping—short for glamorous camping—the hybrid of camp and resort has exploded…”として“glamping”を使用(注8)。

[用例2]としては The Washington Post (online) が “Where to go glamping like the star you are”と題した記事で、“…An increasing number of travel sites and property owners have plusher alternative: glamping (glamorous camping), which offers sophisticated outdoor lodging without all the hardship…”して“glamping”を使っていた(注9)。

[用例3]としては Wikipedia (online) が“Glamping”と題した記事で“Glamping is a portmanteau of glamour and camping and describes a style of camping with amenities…”と“glamping”を載せていた(注10)。

注1) 上記[訳例][用例1][用例2」[用例3](ここでは引用されていない)参照。また毎日新聞2018年9月1日夕刊、2面「国立公園『グランピング』で満喫」参照。
注2) 上記の[訳例][用例1][用例2」[用例3]と毎日新聞記事参照。
注3) 日本グランピング協会(オンライン)、「グランピングとは」(http://glamping.or.jp/about-glamping.html)と[用例1](ここでは引用されていない)参照。
注4) 上記の日本グランピング協会記事参照。
注5) 上記毎日新聞記事参照。
注6) 最新オンライン辞典の 「英辞郎」(アルク)には glamping の訳語として「豪華なキャンプ」を挙げ、同辞典のWeblio は訳語として「グランピング」を挙げていた(2018年10月29日時点)。市販の日本の紙版の英和辞典には勿論、同項目は無い。
注7) 毎日新聞2018年9月1日夕刊、2面「国立公園『グランピング』で満喫」参照。
注8) The New York Times (print), June 15, 2018, “Glamping Slips Into the Mainstream” (https://www.nytimes.com/2018/06/15/travel/luxury-camping.html) (Seen on Oct.29, 2018).
注9) The Washington Posts (online), September 26, 2017, “Glamping Slips Into the Mainstream” (https://www.washingtonpost.com/express/wp/2017/09/26/where-to-go-glamping-like-the-star-you-are/?utm_term=.7e411f47d226) (Seen on Oct. 29, 2018).
注10) Wikipedia (online), Aug. 27, 2018,“Glamping” (https://en.wikipedia.org/wiki/Glamping) (Seen on Oct. 29, 2018).




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