石山宏一の新語ウォッチング

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ジャーナリスト 石山宏一
石山先生のプロフィール  
<第166回> Updated May 7, 2019 更新日:2019年5月7日

今月の新語ファイル

英和編nomophobia ケータイ依存症

nomophobia(発音は「ノモフォビア」)とは no(無い、不所持)、mobile phone(ケータイ(スマホを含む携帯電話)と -phobia(接尾辞で「~嫌い、嫌悪感」の意)の短縮語 で、「携帯電話を持っていないあるいはその電源が不足していると精神的に不安・恐怖心を抱くことで、総称してケータイ依存症」を指すケータイ分野の新語(注1)。この新語は2008年初頭に英国郵便局(UK Post Office)が外部委託した調査で初めて造語されたもので、最初はその使用が英国だけに限定されていた。しかし、その後次第に欧州、米国など世界全体に次第に広まり、2016年には米国の米語辞典大手のMerriam-Websterが「年間新語大賞(The Word of the Year)」の一つとして選び、昨年(2018年)には英国の Cambridge English Dictionaries が同様の「年間新語大賞」のトップとしたので有名になり(注2)、日本のマスコミも大きく取り上げて広まった。

それにしても、この nomophobia の状況は驚愕・憂慮すべきものがある。遡って、この新語が造語された2008年時点で調査会社(YouGov)の調べによると、nomophobia になっている人は対象となった英国人(2,163人)中、実に半数以上の53パーセントに上っていたという(注3)。その4年後の2012年に実施された同様の英国の民間会社(SecurEnvoy)の調査では、対象となった1000人中の約66パーセント(3分の2)が同様の症状を訴えており、4年前比で11パーセント増になっていた(注4)。その後の同症の詳細データは不明だが、確実に70パーセント近くに増加しつあると言われている。幸いにも筆者はガラ携しか持っておらず nomophobia には罹ってないが、罹っている人は大変で、現在ネットではその対処法のサイトが数万単位で見られるが、自分にあった方法をよく吟味して見つけ出すべきであろう。

nomophobia の邦訳語であるが、いろいろ調べた結果、適訳語としては「ケータイ依存症」を適訳語とした。他に直訳のカタカナ語「ノモフォビア」や「ケータイ不所持恐怖症」あるいは「ケータイ不安症」も訳語として考えたが、「ノモフォビア」では日本語のニュアンスが弱くインパクトに欠け、また「不所持恐怖症」や「不安症」ではその症候群の一部しか表していないと思い採用しなかった(注5)。

[用例1]としては Wikipedia (online)が “Nomophobia” と題した記事で、“Nomophobia is a proposed name for the phobia of being out of cellular phone contact…” として “nomophobia” を使用(注6)。この場合の phobia は単独で用いられ「嫌い」の意。

[用例2]としては CNN (online)(有料)が “Rise of ‘nomophobia’: More people fear loss of mobile contact” と題した記事で、“According to a growing body of global research, more people suffer from “nomophobia”—the fear of being without mobile phone contact…” として “nomophobia” を使用(注7)。

[用例3]としては Cambridge Dictionary (online) が “nomophobia” と題した記事で、“…fear or worry at the idea of being without your mobile phone or unable to use it…”と して “nomophobia” を使っていた(注8)。

[用例4]としては Washington Post (online) が “Why you shouldn’t confuse ‘nomophobia’ with an actual addiction to smartphone”と題した記事で、“…And nomophobia—short for “no mobile phone phobia” –now has a 20-item test so that the frantic WebMDers among us can self-diagnose…”として “nomophobia” を使用(注9)。

注1) 上記[用例1][用例2」[用例3][用例4](ここでは引用されていない)参照。また Gigazine(オンライン版)、2012年2月22日、「携帯電話が手元にないと不安になってしまう不安症『Nomophobia』」参照 (https://gigazine.net/news/20120222-nomophobia/)
注2) 上記の[用例1][用例2」[用例3][用例4](ここで引用されていない)参照。
注3) 上記[用例1](ここで引用されていない)参照。
注4) 上記[用例2](ここで引用されていない)参照。
注5) 最新オンライン辞典の「英辞郎」(アルク)と Weblio は 両方ともに訳語として直訳のカタカナ語「ノモフォビア」を挙げていた(2019年4月22日時点)。市販の日本の紙版の英和辞典には勿論、同項目は無い。
注6) Wikipedia (online), “Nomophobia” (https://en.wikipedia.org/wiki/Nomophobia) (Seen on April 22, 2019).
注7) CNN (online), March 6, 2012, “Rise of ‘nomophobia’: More people fear loss of mobile contact” (https://edition.cnn.com/2012/03/06/tech/mobile/nomophobia-mobile-addiction/index.html) (Seen on April 22, 2019).
注8) Cambridge Dictionary (online) , “Nomophobia” (https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/nomophobia) (Seen on April 22, 2019).
注9) Washington Post (online), May 19, 2015. “Why you shouldn’t confuse ‘nomophobia’ with an actual addiction to smartphone” (https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2015/05/19/why-you-shouldnt-confuse-nomophobia-with-an-actual-addiction-to-smartphones/?noredirect=on&utm_term=.b7824d6153ad) (Seen on April 22, 2019).




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